建築に使う材木は乾燥が不十分ですと、収縮に伴う割れやねじれが発生してしまい、著しく品質を低下させてしまいます。
このため、JAS(日本農林規格)では、含水率18〜20%という規格が設けられています。
乾燥が大事なのは薪も同様です。不十分な薪を使うと、
- 火付きが悪い、火力が弱い
- 燃焼効率が悪い(低燃費)
- 煙突が詰まり易い(煤)、煙突火災の恐れ
といったことが懸念されます。
家の中で火を扱う訳ですから、良質な薪をきちんと使いたいところです。
以上の点から、木材を使用する時は「乾燥」が非常に大事な点となります。
そこで今回は、この「乾燥具合」を知るため、3種類の水分計を用いてそれぞれ比較してみました。
木材水分計の種類(高周波式と抵抗式)
水分計には「高周波式」と「抵抗式」の2種類があります。
高周波式は計測面が平滑で、計測対象面に置くだけでOKというタイプです。
一方、抵抗式は計測部の先端にピンが施されており、マニュアルでは2mmほど差し込んで計測すると記載されています。
表面に傷がつくことと非常に硬い木の計測は難しいという点に注意が必要です。
差し込みする際、ピンを破損しないように気をつけましょう。
比較した水分計の種類
楽天で比較してみました。
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高周波式は結構高価ですね。
JAS認定の製材工場でも普通に使っているクラスですので、性能は間違い無いかと思います。
抵抗性の水分計は家庭用薪ユーザー向けと位置づけられそうです。
スギKD(乾燥材)で比較してみた。
人工乾燥した厚さ40mmのスギ材で計測してみました。
結果は、
メーカ・種類 | 含水率(%) |
ファイヤーサイド(抵抗性) | 18 |
マイクロメジャーHS-200(高周波) | 19.3 |
ケット科学HM-520(高周波) | 14.0 |
という感じ。
高周波同士の結果に差があるのが気になりますが、
抵抗性の家庭用のものでも概ね参考になりますね!
薪の含水率計測
昨年10月頃に割ったコナラ。半年以上経っています。
こちらを使って計測してみます。
製材品ではないので、平滑な計測面がありません。
ですので、ここでは抵抗性の水分計を使います。
(というより、専用となりますね。)
薪を割ってそのままその表面を計測すると、14%
再度割って薪の内部を計測すると、33%
となります。
薪を計測する時は必ず割ってから内部を計測するようにしましょう。
20%が目標と言いたいところですが、薪でそこまで乾燥させるのはなかなか難しいです。
この薪の33%はちょっと高いですね。
乾燥が十分になってくると、薪を叩いた時に「キンキン」という金属音に近い音に変わっていきます。
この薪はまだ「ゴンゴン」とちょっと湿気が残るような音がしていました。
手で持った時の感触、耳からの情報も大事なポイントですね!
今年の冬に使えるか来年になるか、使用前にまた計測してみましょう。
まとめ
- 建築用材や薪などに使用する時は含水率が極めて重要。
- 家庭用抵抗式水分計でも十分に参考データとして計測できる。
- 含水率は概ね20%以下を目標とする。
- 乾燥中の薪の計測は、一度割ってから薪内部を計測する。
薪ストーブユーザーには抵抗性水分計はおすすめです。
製材工場やホームセンターから建築用材を購入してくる方は必要ないですが、
抵抗性の水分計でも参考程度のデータが得られると思います。
計測していると木と仲良くなった気がしてとても楽しいです!
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