高齢級スギ・アカマツ・広葉樹の山林調査

森のこと

本日は最高28℃まで上がった。ちょっと山しごとをすれば汗ばむほどの暑さ。

昨日一昨日と、会計検査によって鈍った体をほぐすかの如く、お問い合わせ頂いていた山主さんと一緒に調査に向かった。

この山主Fさんは、サラリーマンを勤め上げてから所有林に道路を造ったり木の伐採をしたり、なんでも自分でやってきたそうだ。

案内された山林は全部で4か所。

「一緒に境界をまわろう」と、詳細に調べてはいないが、たぶん4、5haはあっただろうか?

私もFさんも汗だく状態。

「おいくつになるんですか?」とお聞きすると、なんと75才!

林内を軽やかに歩く姿をみてなおビックリ!若い者でもきっとついていけないだろう。

「お若いですね」と正直な感想を伝えると、

「いつまでも働いていたいからね」と。山に畑に、いきいきとした人生を送られているんだなぁと感じた。

スギ
センノキ

そんなFさんの所有林。

スギ、アカマツ、広葉樹が揃う豊富な樹種とともに、そのほとんどが高齢級のものばかりだった。

スギ、アカマツは優に100年を超え、広葉樹にいたっては150年以上は経過しているだろうか?

一番太いものが写真にあるセンノキ。実測してこなかったが、Fさんいわく、幹回り2.5mだそうだ。

ホウノキ

このFさん、「木を売ってほしい」という要望とは違い、

「自分もいい歳になったから、一度あなたに私の山をみておいてほしいと思った」と言われた。

薄利多売化の傾向がある今の林業界。

そこから出てくる所謂「並材」とは異なり、こういった木はその都度、特別な注文に合わせて伐るのがベストだと考える。

「あなたが一番良いと思う時にお願いしたい」

そう言われ、有難さとその言葉の重みをズシりと全身で受け止めてきた。

スギ・ヒノキ人工林齢級(森林の年齢)別面積
齢級(横軸)は、林齢を5年の幅でくくった単位。
苗木を植栽した年を1年生として、1~5年生を「1齢級」と数える。(林野庁より抜粋)

ちなみに図は、スギ・ヒノキの人工林の齢級構成を表したもの。

1齢級が0年~5年生なので、100年生の木は20齢級となる。

11齢級をピークにして、いびつな構成となっているのが特徴だ。

図からわかる通り、数年後には人工林の蓄積はなくなることが必至なのだ。

「伐ったら植える」が林業の基本。今はじめないと未来は訪れない!

こんな背景からもFさんの所有林が如何に貴重なものかお分かり頂けるだろう。

少なくとも私がこの仕事に携わる間は、ちゃんと見守らせて頂こうと思っている。

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