地域の森林を長年見守ってきた山守的存在の意義

森のこと

いつもお世話になっているOさんから連絡が入った。

内容は、ある山主が立木を買ってほしいと言っていて、その山主さんがGWからしばらく居なくなってしまうから早めに来てほしいとのことだった。

急きょ予定を調整して、待ち合わせ場所に向かった。

このOさん。この辺りの地域の森林を育ててきた大ベテラン。

林業会社を経営してきたんだが、数年前に病気をきっかけに引退した。

現役時代の仕事ぶりは地元でも評判で、丁寧で綺麗な仕立てをいつもしてくれていた。

そんなOさんだからこそ、未だに地域の方々から相談を受けるらしい。有難いことに、Oさん経由で仕事を頂いた件数は、今まで数えきれないほどだ。

オンコ

山主さんの所有林の前で話をしていると、何かを嗅ぎつけたのか、また別の山主さんが登場する。

隣りにあるオンコ林の所有者だった。

どう手入れしたら良いのか?

将来売れるのか?

など、しばらく4人で立ち話…。

ちなみに、オンコはこの町のシンボルツリーで、当時流行ったらしい。

床柱に使う用途が主だったと思うが、周知の通り、住宅事情はガラリと変わってしまい、いま市場に出してもなかなか売れない。新しい商品や販路を開拓していくことが求められるだろう。私にとっての課題の一つだ。

打ち合わせ中
家脇のアカマツ

最初の山主さんが帰られた後、また別の方が登場する(驚)

ご自宅がすぐ近くにあって、家のすぐ脇にあるアカマツの木を伐ってほしいというのだ。

再度Oさんと向かい、3人でまた立ち話…。

結局、「このくらいなら出来る」とOさんにやってもらうことになった。

9時に向かって、別れたのはお昼過ぎ。

Oさんの引き寄せる力はやっぱり違う。

そんなOさん。以前にこんなことを洩らしていた。

「今いろんな業者が来て、木を伐っている。正直、面白くないし残念だ」と。

長年自身で育て見守ってきた森林を他地域の業者さんが買付して、どんどん伐っていく姿を見るのが悔しいんだろう。

恐らく、先代から相続された方が、Oさんの存在を知らずに売ってしまったんだろう。

この地域の森林をOさん以上に知っている人間は存在しない。

私が少しでもお手伝いができるよう、今後も精進していきたい。

そう思った日となった。

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