きのこホダ木・ナラ原木不足が深刻

木のこと

いつもお世話になっている自治体さんが毎年、きのこの里事業と題して、住民にホダ木と種駒の購入代金に対して助成を行っている。

毎年このお手伝いをしているのだが、実は大きな問題点がある。

きのこのホダ木はコナラが一般的。昔、「薪炭林」として里山に多くあったが、戦後の拡大造林を経て、今はスギやアカマツ林にかわってしまった。

ホダ木は太さが概ね8cm~12cmくらいのものが主流となる。それは種駒の菌がホダ木全体にまわり易く、かつ取り回し性もあってか、比較的細い木が用いられる。

このくらいの太さのものだと、概ね15年生くらいのコナラ林となる。これを毎年、計画的に収穫する必要がある。

コナラ林は、放っておくとどんどん太くなり、次第にホダ木には向かなくなる。その後は、30年生くらいを目安に薪にするっていう感じだ。

2800本!

伐ったコナラは萌芽により天然更新するのだが、高齢級(60年生ほど)になるほどその萌芽する力が発揮され難いとされている。

したがって、ホダ木と薪を持続的に収穫し続けるためには、15年と30年あたりを区切りにどんどん利用していくことが求められる。

戦後の拡大造林によって、こういった「薪炭林」が極端に減ってしまい、安定的な供給が難しくなっている現状があるのだ。

また供給が難しいうえに、こういった仕事は手間がかかる。ホダ木は傷を付けると売り物にならないので手作業が必須。また、細いものを扱うため、量が出ない。作業代金にならないので、これをやってくれる業者はなかなかいない。

そこで、北岩手地域の「炭焼き」産地にある業者から数年前より仕入れている。

炭焼きの盛んな地域だからこそで、上述した思い通りの「薪炭林」が豊富に広がっており、かつ、その地域にはホダ木生産に慣れた専門業者があることもも大きいだろう。

本日、納入された2800本のホダ木!きのこの植菌にはちょっと遅いかもだが、仕入れる立場として、相手業者の都合に合わせるしかない。

手降ろしで手伝ってきた。握力がなくなり、あちらこちらが痛い!このくらいで情けないね~(恥)

薪原木

この自治体では、薪原木の助成も行っている。自分もここの住民ならば本当にありがたいと思う!

原木不足問題に対して、何もしてこなかった訳ではない。毎年、自治体が所有する森林に数ha単位でコナラを植栽してきた。

この事業がこの先何年続くか分からないけど、今からはじめないと15年先も30年先もない。

エネルギーの自給自足を目指して大切なことは、未来を想像し、思い立ったら行動し、そしてこの先もずっと続けていくこということだけだ!

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