森林所有者Kさんから電話があり、例年どおり、9年前に植林したカラマツ林の下刈を頼まれた。
「今年が最後だ」とのメッセージ付きだったが、育成を阻害する草本類の背丈は数年前から優に超えており、植林したカラマツは樹高8mほどになるほど生長している。
確かに、放っておけばツル性の植物にやられる可能性もあるし、なにより、所有林を大切に思われるKさんの気持ちが表れているといったところだろう。
大切に思われているからこそ、預かったこちらとしては、普段より一層の気持ちが引き締まる思いになる。
ともあれ、植林からはじまり、今までずっと私が携わってきたのだから、それが例え他人の所有林であっても愛おしい気持ちは変わらない。
ちなみに、下刈作業の代金なのだが、例えば、Kさんから約10万円/haの作業代金を頂く。
「造林補助金」の申請を県に提出し、補助額約7万円を補助金申請者が受け取る。
したがって、Kさんの負担額は3万円ということになる。あくまで参考値なのであしからず。
また下刈の補助要件は、植林から10年までとなっている。
ただし、県への申請時に「現地検査」や「施業前後の写真」などによって、数年前から下刈作業の必要性の是非を問われるようになった。
つまり、植栽木の生長が草本類などの影響を受けないほどになっていれば、下刈に関わる補助は要らないよね?と見られる訳だ。
ただでさえ生長の早い「カラマツ」。私は植林から概ね5年ほどで下刈の補助要件を満たすことはできないと感じている。
すなわち、このKさんは4年ほど補助なしの実費を支払っているという訳だ。
ちなみに下刈の補助は年1回のみ。何年か前までは年2回の補助があったんだけどね。
特にカラマツみたいな樹種は、年2回刈って、3年ほどで下刈終了って感じが一番適していると思う。
以前にそんな提案を県に申し出たことがあったが、他樹種と「一律的」に流されてしまった。
森林の育成って、最初はホントにしんどい作業がどうしても必要になる。増してそれが自然相手なんだから、せめて制度だけでもフレキシブルに対応できるように改善を願いたいね。
補助を利用する側は、制度を良く理解して、うま~く乗りこなしていきたいものだ。
もちろん「不正」は絶対にイカン!のは言うまでもない。
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