師匠の所有林を評価する

森のこと

(約2haの師匠の所有林)

高校を卒業後、地元長野県から上京し、妻と知り合って、それから再び長野に戻って・・・。

大学時代の恩師、会社員時代の先輩、上司、そして今は亡き親父と、思い返すと、今までの人生の「恩師」と呼べる人が本当にたくさん居たことにあらためて気がつく。

自分が今あるのは、この恩師たちのお陰といっても過言ではない!

そして、青森に来て10数年経つが、私が林業の世界に入って、はじめて木の見方を教えてもらったのはIさんという方。

このIさんは何年も前に現役を引退されたんだが、この辺りで木の評価をさせたらこのIさんの右に出るものはいないと言われるほど、すごい目利きだった。

なにせ、長年、製材機の台車に乗っていた経験に加え、製材に必要な丸太の調達を数年前まで担当されていた方なので、木の性質はもちろんのこと、どんな木から何が出来るかを熟知しているのだ。

製材所に勤務する現役の職人たちが口を揃えて言っていたのが、

「丸太を選ばせたら1級。木取りに無駄が一切ない」

あらためて今の自分を見つめてみると、まだまだその頃のIさんには遠く及ばない。

境界を確認しながら1周する

Iさん宅は勤務地から近いため、時々会って話はしていたが、今回は自分の山をみてほしいとのことで連絡をもらった。

「いやあ、勘弁してください(笑」

あなたは私の師匠でっせ!冗談交じりに電話でそう伝えたんだが、境界確認も兼ねてだったので、午後に待ち合わせをして一緒に調査をしてきた。

それにしてもIさんと一緒に山を歩くなんて、いったい何年ぶりだろうか。

青森に来たばかりの頃を思い出しながら、そして自分の成長も少しだけ感じながら、懐かしさとともに2haある所有林をグルりと一周まわった。

「GWに県外にいる息子とここに来たんだが、将来どうしていくかの話になって・・・」

所有林は、さすがIさんとそのご先祖が見守ってきただけあって、かなり優良なアカマツ、スギ、カラマツで構成されていた。

ただ問題は、相続後の管理。さすがのIさんであっても、そこに不安が隠せないのが正直なところだろう。

そんな話をしながら、最後は今年の冬に作業することを約束した。

「アカマツはこう伐って、あそこに売るべ?」

「スギの太いところは、どこに出す?」

「時期は10月がベストなんだけどなあ」

ああ~師匠よ!めんどくさいっす(笑)

そんなこんなで、久しぶりに師匠と一緒に山歩きができて、なんだか初心に戻れたような気がする。

あらためて、恩師や師匠の存在に感謝したい。

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