午後から完全な雨予報だったので、朝作業員と打ち合わせをして、本日の予定や作業の流れを共有した。
ところで、山林の境界をみてくれとの依頼があり、本日その予定をしていたんだが、雨模様ということで断念。
そこで急遽、以前から大変お世話になっているOさんのところに向かった。
Oさん
Oさんは、地元で社会福祉法人を営まれてきた方。
教職員時代を過ごされた後、利用者が働ける場所をつくるべくと、町から土地を借りて今日まで約30年間、障害福祉サービス業を営まれてきた。
今では農業をはじめ、お菓子や餅などの加工品、キノコ栽培など、様々なものを作っている。どれも地元で大人気のものばかりだ。
Oさんの奥様も学校教育の世界にいた方なので、お伺いする度に、ご夫婦からいつも「教育が大事」、「人が地域をつくり、地域が人をつくる」と、いつも話が盛り上がる。本当に頭が下がる思い。勉強になる!
アカザを育てる
Oさんからはいつもいろんなお話を聞いているんだが、今回の話題は「地域資源」について。
なんと90歳になるOさんは、本当に元気いっぱいなのだが、山を歩く時は杖を持参する。
「これ、なにから作ったかわかるかね?」
「うーん、わからないー・・・」
「草だよ、草」
Oさんもその草の名前をど忘れしたようで、二人で「う~ん??」と悩んでいると、席をはずしていた奥様が戻り一言、
「アカジャだよ」と。訛っているが、正しくは「アカザ」。
ちょうど庭先に生えていたものを手にとり、「これよ」と。
あれ?これシロザじゃなかったっけ?
アカザはシロザ(アカザ科アカザ属)の変種。若芽に赤い粉が付いている。
こちらはやっぱりシロザみたい?一年草のこの草は、秋になると木質化するそうだ。


誰もが見向きもしないこの草を、Oさんは大切に育てる。
近所からは「なにやってんだか?!」といった目で見られているそう。
びっくりすることにこの杖。もう既に3,4年使っているんだそうだ。
知らないことばかり。今日もいろんな教えを頂いた!
江渡 狄嶺(えど てきれい)、中村キハ子(きわこ)
それから地域づくりや教育などの話にかわり、Oさんが昔から尊敬するという2人の人物の名前を耳にした。
ひとりは、江渡狄嶺(えどてきれい)。恥ずかしながらはじめてお聞きした。
Oさんが大事にしている江渡狄嶺の色紙。これを印刷屋さんに依頼してコピーしたものを頂いた!
頂いたからには知らないと!
事務所に戻ってネットで調べてみた。→江渡狄嶺さん 【前編】百姓生活の実践から生まれた思想|すぎなみ学倶楽部 (suginamigaku.org)
こんな偉人を知らなかったなんて、ますます恥ずかしい思いに駆られた。
折角のご縁を頂いたので、もう少し調べてみようと思っている。

もう一人が「中村キハ子(きわこ)」。
失礼ながら、こちらもはじめて耳にしたお名前。
Oさんいわく、「五戸町でこの方の名前を知っている人はもうほとんどいない」らしい。
「五戸町が生んだ孝女」と紹介があったが、現存する文献がどれだけあるんだろうか?
今度図書館に行って調べてみようと思う。
五戸町に移住して3年目。
移住した当初、ある方に言われたことを思い出した。
「五戸は昔から教育に熱心なところ。偉人も多いんだよ」
ご先祖さまがこの地でどんな思いを持っていたのか?そしてどんな未来を描いていたのか?
ようやくではあるが、本腰を入れて調べてみようと思う。
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