菌根菌を意識する・野ネズミによる被害からの補植

森のこと

今朝は4時前に起床して、コナラ自社林の下刈作業に。

天気は曇り午後から雨予報でしたので、それまで作業に没頭しました。

野ネズミ被害

野ネズミによる被害を発見。

思った以上でした。

ちょこっと土を掘り、ガリガリと食いちぎる。

悪戯にも程があるんですが、被害の多くは通路になる側の苗木ばかり。

どうしてだろう?

通り沿いはネズミにとっても移動しやすかったのか?

猛禽類などの天敵から隠れながら、その側の苗木にちょいと悪戯。

他の自生した植物にはなにもせず、植えたコナラだけ狙うんだから本当に頭にきます!

今までもコナラの被害が多いので、なにかしらの関係があるんでしょう。

被害が大きかった箇所に補植

森林全体のうち、一番麓の部分です。

ちらほらピンクの蛍光テープが見えますが、ほとんどネズミにやられてしまっています。

またこの箇所は、笹や蔓性の植物の繁茂も旺盛で、植栽したコナラにとってはいずれにしても過酷な環境だったと思います。

この空間には植栽木がなくなってしまい、土に直接日光が当たり続けます。

そのため強い光を好む蔓性の植物等が今後も侵入し続けることが予想されます。

そこで補植しようという訳です。

カマドは、一度ダメだった樹種を再度植えるようなことは基本的にしません。

かといって何を植えたらよいのか?

スギ林を見ると、林内にどういった樹種が生えているかよく観察することが大切。

ホウノキとかケヤキとか。

コナラ林はどういった林に自生しているのか。

この辺りの里山では、マツ類によく生えています。

ここでカマドが補植に選択したのは「スギ」。

たまたま他現場で余った苗木を頂戴してきたこともあるんですが、なぜ「スギ」にしたのかを解説します。

菌根菌(きんこんきん)の世界

陸上植物のほとんどは菌根金と共生し、菌根菌に土壌中の栄養分を集めてもらって成長しているそうです。

その菌根菌には大きく分けて2つ。

  • アーバスキュラー菌根菌
  • 外生菌根菌

スギは前者のアーバスキュラー菌根菌、コナラは外生菌根菌となります。

そうです。

お互い土壌で作り上げている世界が違うので、将来的には共生が難しい関係なのです。

でもカマドは考えました。

どうなるのか見守りたくて。

期待する効果

狙いは次の通りです。

  • スギの成長を促し、林地をなるべく早い段階で被陰させる。
  • これにより、蔓性の植物などの侵入を緩和する。
  • 残ったコナラの成長を促す。
  • スギとコナラの成長により、共生できないまで観察。
  • いずれどちらかを伐採し、ギャップ(空間)を作りながら他樹種を植栽する。

ざっとこんなことを想像してみました。

これでまた明日からどんな成長を見せてくれるか楽しみが増えました。

自然の力を最大限発揮できるように、ちょっと手助けをする。

そしてあとは見守るだけ。

これが林業の世界だと認識しています。

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