本日は朝から予報通りの大雨。よって林産現場はお休みした。
そしてこんな日は、以前にOさんが持ち込んだナラ・クリの長材の手直し。
Oさんは、適当に持ち込んだこの材を「あんたに任せる」と、お預かりしたままだった。
広葉樹のなかで、ナラとクリの材は取り分け人気の樹種。
寒伐り問わず、年中引き合いが強い樹種で、価格もそれなりに高い。
ただし、樹種ごとに、どんな所にどう利用されているのかを知っておかないと、丸太の価値を最大化できない。
写真は、右2本がナラ、左側3本がクリとなる。
ナラ材
まず、丸太市場の市況を見てみる。
2.2m 中玉 24cm上 中値25,000m3
2.2m~ 元玉 24cm上 中値45,000m3
2.2m~ 元玉 40cm上 中値58,000m3
広葉樹の用材は、2.2m(伸び寸10cmで実際は2.3mで切る)、末口24cm以上が基本とされている。
用途は、フローリング材、ウイスキー樽、家具材が中心となる。
元玉で2.2m以上の材があったとしても、それがどこに用途がわからず、案外、市場では走り(売れ行き)が悪かったりする。
それならば、最初から2.2mを1本でも多く造材した方が走りもいいし、トータルの売上も良かったりする。
Oさんの持ち込んだ2本のうち、一番右は2.2mに切っても2本取れなかったのでそのままに。そして明らかに曲がった2番目のものは2.2mに切った。
クリ材
市況では、
2.2m 中玉 18~30cm上 中値16,000m3
2.2m 元玉 32cm上 中値36,000m3
3.0m 元玉 18cm上 中値25,000m3
4.0m 元玉 18cm上 中値30,000m3
ナラ同様、フローリング材や家具材として利用されるが、特徴としては建築用材として使われることが多いことだろう。
「腐りにくい」樹種の特徴から、昔から土台角に使われることが多い。柱、梁などの構造用としても用いられる。
「クリの直材は出来るだけ長く取れ!」がクリ造材の常識になっている。
市況をみても3mや4mの需要がかなりある。
過去に、誰もが耳にしたことのある京都のとある建造物の門柱の注文を頂き、100年生のクリを提供したことがある。
その時は1本100以上の値が付いた。それだけクリ材は需要が高く、価格も高い。優良材は希少らしい。
以上、ナラ材とクリ材の話をしたが、個人的に広葉樹といったらこの2樹種に注目している。
ナラの造成も少しずつ進めているが、過去に先輩たちが造成したクリ林も結構あって、それなりの生育状況だ。
これからも慎重に見守り、価値の最大化を狙いたいと思っている。
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