ここ数日、季節を先取りしたかのような暖かさで、日中は最高で25℃まで上がった。
突然の暖かさに植物も驚いたようで、ハンノキやクルミ、ヤナギなどがいち早く芽吹いていた。
八戸では桜も開花したとか。
そんな陽気のなか、27名で構成する共有林の代表の方々と、今後の手入れの方法や境界の確認などをしてきた。
広大な所有林
この共有林の面積は、併せて100haにのぼる。100haっていったって、どんだけ広いのか良くわからない(^^;
そこでネットで検索してみたら、東京ディズニーランド(51ha)とディズニーシ―(41ha)とほぼ同じ広さだった。
もちろん森林の場合、山あり谷ありの起伏があるので、単純に感覚的な広さの比較はできないと思う。が、とにかく広い!
一緒に歩きながら、所有者のいろんな思いや考えを探る。そして、作業上の注意点、要望なども頭にインプットしていく。
こうやって丁寧にお話を聞かないと、なかなかいい仕事には繋がらない。
私にとって、人と森を繋ぐ大切な大切な作業のひとつ。これを絶対に怠りたくない。
長年手入れをしたいと思っていたらしく、「ようやく来た」と言わんばかりに、あちらこちらと案内してくださった。
想いが一気に溢れ出したんだろう。心して受け止めた。
クリの巨木
これだけ広大な森林内には、アカマツ、スギ、広葉樹と、本当に様々な樹木が存在する。
そして、そのほとんどが戦後からの造成林なので、概ね50年~70年ほどの林齢が多い。
そんななか、「ぜひ見てくれ」と案内されたのが、このクリ。
ここまで太いクリは中々ない!クリは人気樹種のひとつだし、3mの直材が取れそうだった。
「どうだ?」と聞かれたが、瘤や節が多数見られたので、正直「わかない!」とお応えした。適当な回答は控えたい。
このほかにも、スギとアカマツの巨木もあるらしい。時間が足りなかったので、後日案内してもらうことにした。
何れにしても、「巨木・銘木」クラスは、出来る限り、市場担当者にみてもらうようにしている。
適確な評価をするには、必要とするお客さんを知り、それと繋げることができるかに掛かっているから。
餅は餅屋だ!
思い出を再び
共有林の皆様は70~80代の方ばかり。
「若い時はみんなでよく山で遊んだもんだ」と、いろんな思い出話をお聞きした。
その名残のひとつ。山の麓につくられた「イワナの養殖場」。これが4つほどあった。
餌やりが大変で、いつしかやめてしまったらしい。
そのすぐ脇には立派な小屋があり、昔はよく酒盛りして賑わったんだそうだ。もちろん、山菜やキノコも。
この人たちは本当に山を愛しているんだな!と、心から感動してしまった!
そして、私のいつもの軽はずみな発言…。
「いまの子や孫はその恵みや楽しみを知らないだけ。またここでやりましょうよ!」と。
生意気な私の言葉に、一人の方が、
「そうだな~。やるか!その時はご招待しますから!」
イメージした!イメージしてしまった!!
きっと、森林の再生とは、こんなところからはじまるのかもしれない。
良い仕事に繋げていくぞ!そう心に誓った一日となった。
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