朝から電話が鳴る。
山主「またちょっと丸太見てけろ」。
現場に向かってみると、大型車4台分(100m3)ほどの丸太が積まれていた。
採材~搬出(仕分けが命)
どこに持っていくか
4トンユニックを持っているから、自分で持っていけるものは持っていきたいと。
一般的には、合板やチップ等の大型工場に個別に持っていくことはできない。
それは小口のお客さんを一件一件相手にしていられないから。
こういった所に運ぶには、契約した「森林組合」などに依頼するのが一番いい。
もちろんその際は、運賃+手数料が掛かるだろう。
個人で持っていけるのは、恐らく丸太市場か小規模の製材所かな(地域差があるので要確認)。
採材・造材のポイント
合板の場合
さて、写真にあるアカマツ材で考えてみる。
まず、どこに販売できるのか?
梁・桁用なのか、あるいは造作用羽柄材なのか。
その他、合板、矢板・杭。
青森だとリンゴ箱の需要がある。
もちろん、それぞれ販売先が変わる。
ここでは、合板で考えてみる。
合板工場の規格(例)
①径級
4m 末口18cm~50cm(元口最大径60cmまで)
2m 末口18cm~40cm(元口最大径50cmまで)
②節(5cmまで)
4m 10か所以内
2m 5か所以内
③矢高
末口直径の10%以内
こんな感じで規格が定められている。
搬入で気を付けたいポイント
受け入れる方としてはなるべく良い丸太を仕入れたい。
しかし、大型工場になればなるほどいろんな業者が搬入してくる。
その量は、何千何万にもなるので、丁寧に1本1本確認できる訳がない。
そのため搬入業者に徹底してもらうため、中間業者(商社)などが技術指導を行っている場合が多い。
私らはその内容を現場に伝え、出てきた丸太の状態をいつもチェックしている。
これってお互いの信用が大事で、以前に聞いた話だと、受入先の担当者の目に留まり、トラックに積んである丸太を全量、1本1本並べてチェックされた、なんてこともあったそうだ。
規格外の丸太が相当入っていたんだろうね。
もう、こうなったらお互いたまったもんじゃない!最悪、取引停止なんてこともあり得る。
今回の場合・・・
節が大きく、また個数も多い。
曲がり、腐りなどの欠点。
2mの元口最大径50オーバーが2本。
4mの曲がりや節。(→2mにカット指示)
ノビ(余尺5cm~10cm以内)が15cmあったので、切り直し(ほぼ全量)。
こんな感じで山主さんに伝えた。
一本一本広げて、状態を確認しながら仕分け直すのって、結構な経験値が必要だ。
合板の規格に合わないものは全量チップ材。
結局、仕分けが命!
最初からバシッと決められないと、いつまでも大変な思いを強いられてしまう。
だから山主さんには「全部うちに持ってきて」と伝えた。
専用の重機もあるし、経験者もいる。
山主さんひとりで仕分けるより、よほどスムーズで正確だ。
その際は今後のこともあるので、再度、山主さんに指導することにした。
また、チップでも太くて良い板が取れそうならば抜き出し、製材することにした。
市況(季節)も考える
市場行きのコナラ。
こちらは昨年末に呼ばれ時、事前に指示してあったもの。
市場の場合、基本どんな状態で持っていこうがその人の責任だ。
もし買い手が付かず売れ残ってしまえば、その市場がチップ材などに回して処分する。
次回の市場に向けて土場を片付けておかなければならないから、市場の回転は割と早い。
ここで指示した内容は、
径級24cm以上。
長さは2.26m(余尺10cmで2.36m)
太さがあれば、片面節キズOK。もう片面取れれば売れる。割れもOK。
ただし、人気樹種「コナラ、サクラ、オニグルミ、クリ」のみ。
人気のないケヤキなどは、これからの時期ますます値段が下がる。
なので、年中変動する市況の動向って、情報がないと割と難しい世界。
ご自分で丸太を造材する場合は、やっぱり誰かから「指導」を受けることだ。
また、これは言葉で聞いただけでは絶対に伝わらない。
建設業者なんかが工事に付随して立木を伐採する際「どう玉切りしたらいいですか?」と聞かれる時がある。
一応指示はするんだけど、いざ現場に行ってみると、ほとんどデタラメ。
そんなことが何度か経験ある。今は必ず現地で指導することにしている。
兎に角、お近くの森林組合などに相談するのが一番だ!
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