所有者と請負業者からクレーム・・・それぞれの言い分

森のこと

(3年前にコナラを植えた山林。造林木が1本も確認できない)

朝7時過ぎ。いつものように事務所に向かい、神棚に手を合わせてから作業員達と打ち合わせをしようと思っていたら、S造林という会社の社長がやってきた。

「話を聞いてほしい」とのこと。

S造林社長からは・・・

どうやら部下が渡してきた今までの仕事の内容が気に入らなかったようで、今月これじゃ従業員に給料を払えないと訴えられた。

植林にしろ下刈にしろ間伐にしろ、林業の現場は一つとして同じ条件下がない、言うまでもなく自然相手の仕事。

傾斜がキツいところもあれば、ツル性植物の繁茂が著しいところもある。伐採が困難なところもあれば、搬出が大変なところも。

作業条件を挙げたらキリがないし、それぞれのその度合いに応じて、作業単価を設定することもほとんど不可能に近い。

なので林業での発注は、一般的に相場(作業種によっては補助金額による)により一律単価で請負契約を結んでいる。

植林、下刈などは面積×単価。

間伐、皆伐などの林産は、生産量(m3)×単価、となる。

S造林の6月の仕事は植林と下刈。確かに例月と比べたら1/2ほどの作業量だった。

いろんな言い分を朝から1時間ほど・・・。(疲れた、疲れたよ。)

その後、部下を呼んで話を聞いてみた。

「やり方が良くないんですよね」

S造林は、丁寧に責任を持ってやっているんだ!という言い分と、

他業者を何社も見ている部下はそれらと比較して作業が「遅い」と。

実際いつも現場を見ている訳でもないし、状況もはっきりしないから、正直なところわからない!というのが私の本音。

上司としては情けないばかりだが、反省とともに今後の改善に向けて、これから現場回りをちょくちょくしていこうと思っている。

(増々忙しくはなるが、それが職務だったりする。。。汗)

所有者Tさんからは・・・

それから所有者Tさんのところへ植林事業の契約書を交わしに向かった。

ところで、このTさんは今まで様々の事業において、元請業者とトラブルが続いていた。

今まで3,4人の担当者達がこのTさんにコテンパンにやられてしまい、結局みな逃げ出してしまった。

今回、契約書の署名だけと思い伺ったのだが、息子さんが出てきて痛烈な一言「あそこのナラ、どやするっきゃぁ!!)

あそこのナラとは、3年前に植えた(上写真)山林のこと。逃げ出してしまったために今まで下刈作業を怠ってしまい、今、目視上でほとんどコナラが確認できないほどになってしまっていた。

度重なる不信感を抱いたTさんは、子供や孫、親戚などに相談し、今回の契約書の中身を何度も精査してきた。

遡れば、今年度になってから覚書や念書なるものを3,4枚ぐらい書いてきた。

今までの事はどうであっても、これからのことについてはもちろん私の署名付きにした。責任が重く重くのしかかるのは当然のこと。

一度信用を無くした相手。こればっかりは仕方ない!と自分に言い聞かせた。

そして、今後はきっちりと良い仕事に繋げる。この積み重ねしかない。

部下にもそう伝え、自分にも言い聞かせ、なんやかんやとクタクタになった日になった。

人がやったことじゃなく、これは自分への何かの知らせ。好機と捉えて成長していきたいね。

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