跡取り問題・何を繋いでいくのか

日々のこと

(まだ薄暗い早朝のナラ所有林)

今日は山主Tさんとアポイントを取り、朝イチバンにこれから植林する事業について説明をしてきた。

ところで、この93歳になるTさん(女性)は、森林をはじめとする広大な土地を所有しており、悩みの種であるという「跡継ぎ」について1時間ほど話を聞いてきた。

Tさんの5人の子供達は全員県外で家庭を築き、お孫さんは15人もいるそうだ。

そして戦前・戦時中の苦労話、お子さんとお孫さんのこと、最後は今は亡き旦那さんのこと。

話を聞くばかりだったが、話しているうちにふと、Tさんの目から涙がこぼれていることに気が付く・・・。

今までのことを思い出したのか?はたまた跡継ぎの不安が募ってなのか?

どのタイミングで涙腺が刺激されたのかわからなかったが、最後に、

「わたしはいつ逝くかわからないから、山を何とかしておきたくて・・・」

「そうですね」と、いつも頷くことしかできない自分がもどかしい。誰にもぶつけようのないモヤモヤがいつも残る。

私の役割は、森林を次の世代に繋げる手助けをすること。

土地には誰かしらの所有権があり、いずれ人から人へと受け継がれていく。もしこの関係が継続できなければ、例えそれが一時的であっても、そこで森と人との関わりが途絶えてしまう。

僕らはご先祖様から何を受け継ぎ、そして何を繋いでいかなければならないのだろうか。

少なくとも、今は関心が薄い後継者であっても、自信を持って残せてあげられるかどうか。そんな森づくりを意識しているのか?

モヤモヤしながらだが、一日一日を全力で頑張っていくだけなのだ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました