現在、約5haのスギの間伐作業を行っている。
そこに隣接した高齢のスギ林。間伐林と同じ所有者なんだが、写真のとおり、リンゴ畑に接しており、ブドウの葉が落ちるわ、日陰にもなって困っているとのことだった。
高齢スギは今まで一度も手入れを行ってこず、形質も良くないし、虫害の恐れも懸念された。そこで所有者に確認を取って、樹種転換を行うことに。
朝一番、作業員に言われる。
「4m材7本は取れよ~」
樹高が30mはあると思っていたが、どうやらそれ以上だったんだろう。
早速現場に行って確認してきた。
一番太いもので、根元径が1m。
年輪を数えるとちょうど80年生。
驚くことに、元玉(1番玉)からトビグサレが入っており、節が強く形質も良くない。
形質が良くないとは、まん丸な丸太ではなく、年輪の幅もまちまち。一様な年輪幅ならまだいいんだけど、このくらいの状態ならかなり厳しいと言わざるを得ない。
ということで、太いものはほとんど全量パルプ材になりそうだ。
有効に使ってくれる人がいたらいいんだが、現場の進捗や丸太を移動・保管しておく手間、経費等を考えると、いつまでもくよくよ悩んではいられない。
そんな林業をやっているから、いつまで経っても薄利多売な商売になるんだ!
と、ご指摘を頂きそうなところだが、こちらの実情も少しはわかってもらいたい(という言い訳)。
リンゴ畑との際にあったスギ伐倒木を確認したら、ビックリ仰天!!完全に腐っていた。
いやあ、今伐ってホントに良かった!
樹種転換は、今回頼まれた仕事ではないんだが、このまま見過ごして放っておいたら、何れリンゴ畑側に折れて倒れていただろう。
森林の状態を見極め、所有者とその周りの状況も鑑みなければならない。
林業に携わる者は、あらゆる角度から判断をしなければならないのだ。
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