最近ユーチューブに動画をアップロードしています。
普段通りの森林調査の様子をiphoneで撮影して、とりあえず編集なしでそのままアップロード。
これから動画編集もぼちぼち勉強しながら、少しずつステップアップできればそれで良し!としています。まずはやってみようという感じです。
本日は青森市に出張だったので、八甲田越えルートで奥入瀬川を通りながらの撮影してみました。
素材販売会議にて悶々会議
出張目的は、「素材販売会議」。
要は、ウッドショックの影響で国産木材の需要が増大しているなかで、
丸太生産を増やせないか?
そんなお願いをする会議。
正直なところ、カマドはこの手の会議が苦手です。
だって、話し合えば増産でるのか?
それは本当に解決に向かっているのか?
馴れ合い、傷の舐め合いではないのか?
確かに情報交換の場ではあるけれど、具体案を出すわけでもなく、ただただ悶々として会議が終了するって、もう必要ないよね?と自分で自分を突き詰めてしまいます。
木材を生産する使命とは?
脱線しましたが、夏場は木の伐採を控えます。
というのは、暖かい中では木材に悪さをする虫が発生したり、カビをはじめとした変色の恐れもあったりと流通上嫌われることが多いので、夏場の伐採は控えて概ねお盆過ぎあたりを目安に伐採の計画をしています。
また、これからは植林や下刈などの「育てる」作業の季節とも言えるので、限られた労務をそちらに費やすといった理由などで、お盆過ぎまで木材は例年「減産」の傾向になります。
しかし、丸太を製材して製品販売している製材工場やそれを流通する商社などは、この需要大に対して全く供給できない訳ですから、こちら側(山側)への圧力も激しくなる訳です。
以前、ある方に言われたことがあります。
我々林業(山側)の使命の一つに、
「関係する業者さんを潰さないこと」
「要望された木材を届けること」
林業のみならず、木材生産業もすべて繋がっていること。
長年木材流通に携われてきた方のこの言葉には重みを感じました。
ホームセンターで立ち止まる・製品価格
先週末に近所のホームセンターで、
「そういえば製材品ってどうなってるんだろう?」
と思い、ちょっとのぞいてみました。
木材製品の価格は丸太同様、m3単価で取引されていますので、その市場単価を把握するとグッと林業が身近になれます。
写真にあるように、例えば赤松垂木KD材(乾燥材の意味)は、
0.045m✖︎0.045m✖︎3.985m=0.00807m3
となり、ここに市場単価を乗じることで、木材製品1本あたりの価格がわかります。
ここのホームセンターでは、赤松垂木KD材の価格が780円ですので、
780円÷0.00807m3=96,654円/m3 となります。
この価格について、皆さんはどう思いますか?
カマドは正直なところ、「めちゃ高い」と心で叫びました!
ウッドショック前のスギ材では、KD材は50,000円/m3くらいがいいとこだったでしょうか。
スギよりは赤松の方が素材価格が高いので、仮に2割増しにしたとしても、
60,000〜70,000円/m3くらいかな?という感じです。
といいながら、ここで矛盾が発生!
「製品が高くなれば原木も高くなるから、林業的には嬉しいんじゃない?」
確かにそうです。そうなんですが、カマドが考える「山元価格」は、
現在の市場価格の2倍、かつ生産量も2倍。
このくらい到達できれば、林業は魅力のある業界になるはず。
胸を張れるのですが、現状は「原料扱い」に過ぎないのです。
本質に挑んで魅力ある産業に!
物が不足すれば価格が上昇する。
市場原理からすれば当たり前のことですが、日本中慢性的な「スギだらけ」状態。
市場が同じ樹種で溢れているので、当然その原木の価格が上がるわけもなく、結果なかなか山元に還元されないという構図。
製品の取り扱う製材所やメーカーも「原木高ー製品安」状態に入ってしまうと、潰れてしまうところが出てくるかもしれない。
恐らく林業のみならず、農業も漁業も一次産業に携わる方はみんな同じかもしれません。
「原料」を供給してうちは、原料の「価格」でしかないということ。
業界全体でベースアップしていこう!
行政がこぞっていいそうな感じですが、実際はいたる所で利害関係が衝突してしまって、結局生産者にまで利が届かない、そんな歴史の繰り返しのようです。
こんなことを続けていてはダメだ!
これが「本質」であって、会議では決して生まれない林業界が抱える核心的な問題なわけです。
カマドは現在、少しずつですが山から直接利用できる仕組みづくりに取り組んでいます。
そのあたりのことは後ほど綴っていきますが、その取り組みがやがて魅力溢れる業界づくりに繋がっていくことを信じて、これからも全力で突き進んでいきます!
今後とも応援のほど、よろしくお願いします!
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