林業の虫害被害を考える

木のこと

 伐採現場から出たスギ丸太を見て愕然とした。まさかここまでとは!

 これは「スギノアカネトラカミキリ虫」による被害である。このカミキリ虫は、スギの枯れ枝を食害しながら成長とともに内部に侵入していき、幹部にトビ腐れ被害を起こす(写真)。日本中に生息するようだが、この地域では不思議と国道4号線を境目に、海岸に近いエリアではほとんど発見されない。逆に山側(秋田寄り)になるとほとんどのスギ林に被害が見られるため、木材生産を行う際本当に頭を悩ませる。

 業界ではこのトビグサレにランクをつけていて、トビ1(イチ)、トビ2(ニ)などと呼ぶ。変色している程度なら合板材として取引が可能だが、指が入ってしまうくらい穴が開いていると引き取ってくれるところがなく、最悪、全量チップ材ということにもなってしまう。

 ある日のこと。林齢100年近いスギ人工林の手入れを依頼されたことがある。この辺りで人工林の100年なんて極めて珍しく、その森林所有者は今まで大切に見守ってきたらしい。7haあるその森林内には神様が祀られており、所有者の意向は残す木と土地を傷つけることなく整備してほしいという内容だった。

 昔その森林を整備したことがあった作業員と話しをしたところ「あの山は、トビだらけ、穴だらけよ」と聞いた。販売先を見つけるのが相当に難しいし、太さの割に本数もあって、どうやっても他の木を傷めてしまう。

 「数年に跨いで樹種転換していきませんか?」が私の提示した提案。

 結論は、神様がいらっしゃる山だからということで「ノー」だった。結局、手入れのしようがなくお断りした。

 長い年月を掛けて育ててきた人工林。虫害もあれば気象害もある。なかなか人間の思うようにはいかないのが難しさでもあり、面白さでもあるのかな。そうだ、林業って面白いんだ!

 

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