日本のマツが消える?松保護士登録更新をした

森のこと

  平成28年に取得した「松保護士」の資格期限が迫ったため、本日更新の手続きを行った。例年だと東京まで行って講習会を受講する必要があったが、昨今の事情を踏まえ今回はWebでの受講となった。

 ところで松保護士とは?ということだが、樹木医で知られる(財)日本緑化センターが認定を行っている資格だ。日本の歴史ある風景や海岸の飛砂から田園を守る等、今まで重要な役割を担ってきたその松を専門知識と技術を持って対策できる人材が松保護士、という訳だ。

 特に、100年前に長崎県ではじめて発見された「松くい虫」は、今まで徐々に被害が拡大して、ついに2012年に青森県で初めて発見された。現在も関係者が必至になってこの防除にあたっている。

 松くい虫被害とは、その長崎に持ち込まれたとされる北米産マツに元々と共生していた「マツノザイセンチュウ」が、日本在来の「マツノマダラカミキリ」を介在してマツからマツへと飛び移り、次々とマツを枯らしてしまうという驚異的な伝染病である。写真はセンチュウを抱えたカミキリが、マツに産卵し幼虫になったもの。これが翌春に羽化脱出することで被害が一層拡大する。防除ではこの幼虫を確実に死滅させなければならない。

 私が住まう青森県南地方には、全国的にみても優良な「南部アカマツ」が広く分布している。そのため被害拡大は何としても阻止しなければならない。今まで5年ほど防除を担当しているが、ここで少しでも手を緩めてしまうと瞬く間に被害が拡大してしまう。一番懸念される問題は、県がその対策費をいつまで捻出できるのかだ。なので少しでも多くの方にこの被害について関心をもってもらい、みんなで防除にあたる気持ちになってもらうことがとても大切なことだと考えている。

 4月に開催予定の「なんぶ森講座」では、地域の木、針葉樹の持つパワー、そしてそのマツについて話しをしたいと考えている。

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